お遍路19日目、2013年5月27日は61番香園寺~65番三角寺まで参拝しました。61番から64番は市街地にある上にお寺の間隔が短く、あっという間でした。65番三角寺だけは山の中のお寺。今日参拝したお寺は雰囲気のいいお寺が多かったです。
にぎたつ旅館を出発、61番香園寺~64番前神寺参拝
朝6時半ごろ出発し、61番香園寺(こうおんじ)から本日の参拝を始めます。香園寺はお寺のイメージを覆す、モダンでユニークな外観をしています。
中に入るとコンサートホールを思わせるような本堂に、金色に輝く大日如来像が置かれていました。
ここから64番前神寺まではお寺の間の距離が2~3kmと短いため、ポンポンとリズムよく参拝していきます。
62番宝寿寺の御朱印↓
下の写真は63番吉祥寺にあった象。なんだか可愛くて写真を撮っちゃいました。
63番吉祥寺の御朱印↓
63番~64番の間にあった交通安全みまもる君
9:15ごろ、64番前神寺に到着しました。
64番前神寺の御朱印↓
65番三角寺へ
さて、64番前神寺から65番三角寺までは23㎞ほどあります。わたしのお遍路マイルールでは公共交通機関は使用OKなので、前神寺近くの石鎚山駅からJR予讃線で伊予三島駅まで行きます。
伊予三島駅からはバスで「三角寺口」まで行きます。バス停名に「口」と付いていることから分かるように、お寺への登山口的な場所までしかバスでは行けません。バスを降りてから40分ぐらい階段や山道を歩きます。12時半ごろ、ようやくたどり着きました。
65番三角寺の御朱印↓
ここ三角寺でしゃもじを授与していただくと子宝に恵まれるというご利益が有名だそうで、山の中を40分も歩かなければ来れない場所にも関わらず女性の参拝客がちらほら目に入りました。
願いが叶って子宝に恵まれた人は新しいしゃもじを買って三角寺に返しに来る、というしきたりがあるそうです。わたしも子授けのご利益にあやかろうとしゃもじを購入したのですが、結局子宝に恵まれることはなく再び三角寺にお礼に行く日は来ませんでした。(効果には個人差があります)
さて、参拝が終わって時刻は13時過ぎですが、三角寺口バス停からのバスは本数が少ないです。
16時まで次のバスがないため、境内でご飯を食べたりしながら時間をつぶすことにしました。わたしと同じように境内で時間をつぶしているお遍路さん数人と雑談したのですが、その中にはスケッチブック片手に絵を描きながら四国八十八か所を回っているという中年男性や、亡くなった奥様の写真を胸に下げて巡礼しているまだ若い男性などがいました。
お遍路に出る理由も目的も、本当に人それぞれなのが面白いところです。
ビジネス旅館ろんどん荘に宿泊
三角寺口からバスで伊予三島駅前まで戻ってきて、本日のお宿「ビジネス旅館ろんどん荘」に到着しました。
場所を確かめるためにGoogleマップで検索したら「閉館」と表示されていて驚きました。確かに宿のおかみさんはもう高齢で「長くは続けられない」と話していらっしゃいましたが、あれから5年でもう閉館してしまったのですね。。。
おかみさんは人が良く、わたしのような非コミュのお遍路さんが他のお遍路さんたちとコミュニケーションを取れるように色々と気配りをしてくださったのが印象に残っています。宿の1階の食堂で、お茶や果物を出してくれて自然と話が弾むように配慮してくれていたのです。
以前はその食堂で夕食を出していたそうですが、おかみさんが高齢になってご飯は出せなくなったのだと話していました。宿のすぐ向かいにお弁当屋さんがあったので、みんなそこでお弁当を買ってきて食堂で食べていました。
このユニークな「NOスリッパ制度」も、おかみさんがなるべく長く旅館を続けられるように、不要なサービスをどんどんカットした結果とのことでした。
返す返すも閉館は残念です。
19日ぶりのリンス
この日の前半は市街地を歩いていたので、途中にあったドラッグストアでクエン酸を購入しました。
お遍路15日目の「道後温泉に石けんを忘れて来た事件」の時にも書いたのですが、わたしは肌が弱くて普通の旅館に備え付けてあるようなシャンプーやボディーソープが使えません。そのため、固形の純石けんを1個持ち歩き、顔も体も髪も石けん1個で洗いながら旅を続けていました。
ところが、石けんで髪を洗い続けているとギシギシ、ゴワゴワしてくるのです。19日目にして髪のギシギシが限界に達したため、クエン酸を買ってリンスをすることにしました。
石けん(アルカリ性)をクエン酸(酸性)で中和することで髪が落ち着くのです。19日ぶりのリンスで髪がしっとりした、愛媛県最後の夜でした。
19日目感想
65番三角寺で愛媛県のお寺はすべて打ち終わり、残すは香川県だけとなりました。この頃になると「どこで中断して千葉に帰ろうかな」という弱気な考えは頭から消え、「ここまで来たら絶対88箇所全部回って帰ってやるぞ!」という前向きな心境になってきていました。
次回へ続く。