2013年5月~6月に行ってきたお遍路旅の記録です。
前回の記事で2日目の様子を紹介しましたので、今回は3日目(5/11)をお届けします。
お遍路3日目となる2013年5月10日は、ひたすら登山、登山、登山の日でした。
朝、旅館吉野を出発
他のお遍路さんの多くがそうしたように、わたしも朝7時前に旅館吉野を出発しました。
これは、お寺の「納経所」が開いている時間と関係あります。
お寺にお参りした後、納経所で御朱印を頂くのですが、この納経所が開く時間が朝7時なのです。
このため、7時ごろ11番藤井寺に着くようにみんな宿を出発します。
旅館吉野では朝食のほかにオプションで昼食のおにぎりも付けられるため、握ってもらいました。
これが本日の重要なエネルギー源となります。
今日の道のりはずっと山道で、コンビニも自販機も無いことが確定しているためです。
11番 藤井寺
納経所が開く直前の6時50分ごろ、本日最初のお寺藤井寺に着きました。
お参りを済ませて御朱印を頂きます。
さて、ここからは次の焼山寺まで16㎞におよぶ山道に入ります。
一日かかるガチ登山の始まりです。
お遍路の難所「へんろころがし」
この焼山寺に向かう山道は、お遍路序盤で最大の難所と言われています。
その中でも特に危ない箇所は「へんろころがし」という名前が付いています。
看板に1/6と書いてあるので焼山寺までの間に合計6か所危険な場所があるということです。
前日に雨が降った後だったこともあり、この日は特にぬかるみや岩で滑りやすくなっていて危険でした。
焼山寺山の中腹、長戸庵からの絶景
一人で歩いていると色々なことを考えますが、この日の山道は本当にキツく、ほぼトランス状態で登山しながら「人生は経験と忘却、期待と後悔の繰り返しなのかもしれない」などと考えていました。
山の中腹にある「長戸庵(ちょうどあん)」という建物のあたりでベンチに座って休憩しましたが、そこからの景色が絶景でした。
登山はつづく
ベンチでの休憩を挟んで登山は続きます。
こんな感じのへんろ道を進みます。
まさに「修行」って感じです。
山の中もわたしの大好物であるレトロな看板がたまに出てきます。
登山道の脇に咲いていた綺麗なお花。
山を歩いていると、関東と四国では生えている植物が全く違うと感じます。
当時「このお花なぁに?」ってTwitterで問いかけたら誰かが教えてくれたのですが、残念ながら忘れてしまいました。
ご存知の方いらっしゃいましたらわたしのTwitterまで教えてください。
この花のあたりでようやく最後のへんろころがしを過ぎ、ゴールが見えてきました。
12番焼山寺に到着
朝7時過ぎから5時間山を登って、正午ごろようやく12番焼山寺に到着しました。
焼山寺に着く直前ぐらいに雨が本降りになってしまったので、建物内のベンチを借りて装備を乾かしつつ雨が止むのを待ちます。
写真左の菅笠にかかっている青い手ぬぐいは初日に泊まった6番安楽寺で買った無財の七施手ぬぐい、右のリュックにかかっている白い手ぬぐいは般若心経手ぬぐいです。
焼山寺の標高は約700m、雲の上のお寺でした。
雨が小降りになるのを待って下山開始
さて、焼山寺でしばらく雨宿りをしていましたが、どうも雨が完全に止む気配はありません。
仕方なく、小雨の中14時ごろ下山を開始しました。
この日はもう次の札所(お寺)に進むつもりはなく、下山途中の山の中腹にあるへんろ宿を予約してありました。
下山途中で道路に出て来た白いカニ。
ここは海など見えない山奥ですので、サワガニなのでしょうか。
道の途中には、お遍路さん向けにあめやジュースの無人販売をしている場所もありました。
コンビニも自販機もないので結構ありがたいです。
ザ・すだちを買って飲みました。
疲れた体にすだちの酸味が染みわたります。
登りよりはマシに思える山道を下って、本日の宿へ向かいます。
本日の宿 なべいわ荘に到着
長い登山の後ようやく今日の宿泊先であるなべいわ荘に到着しました。
雨に打たれて疲れた体を風呂で癒し、着ていたものを洗濯し、夕飯を食べて少し元気になりました。
洗濯機置き場の脇に外飼いのワンちゃんが繋がれていたのを覚えています。
宿のご主人にワンちゃんの名前も聞いたんだけど、すっかり忘れてしまいました…。
このなべいわ荘は夕食込みで6,300円。
部屋は一人一室ですがふすまなので鍵はかからず、隣の部屋ともふすま1枚を隔てているだけです。(※へんろ宿では割とよくあることです。)
疲れていたので死んだように眠りました。