お遍路20日目、2013年5月28日はついに四国四県最後の県、香川県に突入しました。
初めてマイルールを破ってタクシーに乗る
朝、ビジネス旅館ろんどん荘を出発してまずはJR予讃線で伊予三島駅から観音寺(かんおんじ)駅まで行きました。
このお遍路旅のマイルールは「基本歩き遍路、公共交通機関は使用OK」というものです。しかしこの日は宿をチェックアウトした直後からあいにくの小雨。雨の中を次のお寺まで歩くのは体調を崩すリスクが高すぎます。だからといって今から元の宿に戻るわけにもいきません。やむを得ず、この日は66番雲辺寺の近くまでタクシーを使用することにしました。
マイルールを破ることになりましたが、健康なままお遍路を終えるための決断。結果的にはこの判断は正しかったと思っています。
JR観音寺駅前のミニストップで朝食代わりのおにぎりを買い、駅前タクシープールからタクシーに乗り込みます。雲辺寺の登山口近くまでおよそ20km、料金は5,000円近くかかりました。
ご年配の方などが「タクシー遍路」をされているのをたまに見ましたが、あれはものすごい財力が無いと出来ないんだな、ということがわかった朝でした。
66番雲辺寺(うんぺんじ)へ
タクシーから降りてロープウェーに乗り換える頃には小雨が降ったり止んだりで、天候は回復しそうな気配を見せ始めていました。
雲辺寺はその名の通り雲の辺り、つまり山の頂上にあるお寺です。ロープウェーがあって本当に有難かったです。
お寺のある山頂付近がちょうど香川県と徳島県の県境になっています。
朝愛媛県の旅館を出て香川県に突入し、さらには徳島県と四国3県を1日で訪れることになりました。
雲辺寺への到着は8:30ごろになりました。
雲辺寺の御朱印です。
境内にはサヌカイトという黒光りする石が飾られていました。
叩くとカンカン高い音がすることから別名「カンカン石」と呼ばれているそうです。その場に居合わせた他のお遍路さんと一緒にカンカン叩いて遊びました。
雲辺寺から出る途中は五百羅漢がズラリと並んでいました。
五百羅漢はそれまで徳島・高知・愛媛のお寺ではあまり見かけませんでしたが、香川県に入ってからよく見るようになった気がします。
67番大興寺へ
さて、66番雲辺寺から67番大興寺までは10㎞弱山の中を歩きます。香川県と徳島県の県境近くの山奥はとても静かでよかったです。愛媛県を歩いていた頃は、どんなに山奥まで行っても遠くから車の音が聞こえてくる感じがして、旅の風情が損なわれていたのです。ちなみに、四国4県の中で一番山の中が静かだったのは徳島県です。
山の中には鳥も多く、鳥の鳴き声を解説した立て看板もありました。
山から出て舗装路を歩いていくと、こんな立派な装飾を施されたお遍路さん用休憩小屋がありました。
このお休み処は、本職の宮大工さんたちが建てたという説明書きが確かあったと思います。有難く一休みさせていただきました。
さて大興寺に着きました。樹齢700年の大クスが出迎えてくれます。
大興寺の御朱印はこちら。
猫のいる旅館、若松屋別館に宿泊
本日のお宿は観音寺駅からほど近い「若松屋別館」です。こちらの旅館、行くまで知らなかったのですが可愛い猫ちゃんがお出迎えしてくれました。
というわけで、ここからしばらくは可愛い猫ちゃんの写真でお楽しみください。
ここ若松屋別館は落ち着いた雰囲気のロビーがある旅館でした。
1泊2食付きだったので食堂でご飯を食べたのですが、そちらも美味しかったです。(食堂には猫は入ってきませんのでご安心を)
客室の戸を少し開けておくと部屋の中まで猫ちゃんが入ってきて猫ちゃんと遊び放題です。
わたしが布団を敷くと「待ってました」と言わんばかりに布団でくつろぎはじめます。
あの、そこ、わたしの寝る場所…
でも可愛いから許す!
20日目感想
この日の歩行距離は約20㎞。結構疲労困憊だったのですが猫に癒されました。
お遍路の旅で初めて、マイルールを破ってタクシーを使いました。どんなに綿密に計画しても計画通りいかないのはお遍路も人生も同じ。イレギュラーな事態に遭遇した時にいかに柔軟に乗り切るかの訓練も、お遍路の一環なのかもしれません。
布団を占拠した猫ちゃんにはその後丁重にお願いしてご退場いただき、無事に布団で寝ることができました。
次回へ続く。