大分・別府鉄輪温泉1泊2日旅行記(2025/02/15〜16)

大分・別府鉄輪温泉1泊2日旅行記(2025/02/15〜16)

大分旅行へ行く理由

そもそも何故別府へ行くことにしたのかから話さねばなるまい。

事の発端は8月、モンスターバッシュで高松へ行った時に遡る。当初は往復飛行機で行く予定でジェットスターを予約していたのだが、飛行機の予約後に運良くサンライズ瀬戸のチケットが取れたのだ。そこで行きは飛行機、帰りはサンライズ瀬戸で帰ることにした。

ただしサンライズ瀬戸の運休率の高さは有名なので、帰りのサンライズが走り出すまではジェットスターのチケットも手放さずに持っておき、走り出したサンライズの中で帰りのジェットスターをキャンセルしたのだ。

そこで発生したのがキャンセルしたジェットスターのバウチャー13,320円分である。これは発生から6ヶ月以内に使わなければ失効してしまう。そこで失効前にジェットスターでどこかへ行く計画を立て始めた。

さまざまな案が出たが最終的にはまだ行ったことがない場所を優先することとし、大分県の別府温泉へ行ってみることにした。

時期は8月から6ヶ月で一番離れている2月にした。そもそも8月はまだコロナ後遺症で体調がイマイチだったので、なるべく遠い日付にした方が体調が万全だろうと考えたのだ。

8月9月あたりは本当に体調が最悪だったので、半年後の楽しい旅行の計画を考えることで、なんとか生きながらえていたのだった。

成田空港からジェットスターで大分へ

あれから半年、ついに初めて別府へ行く日を迎えた。土曜日の朝家を出て、成田空港第3ターミナルの立ち食い寿司「TATSU SUSHI」で早めの昼食。

入店早々東南アジア系のホールスタッフに英語で話しかけられて「ワイは日本人に見えないのか?!」と思ったが気を取り直してあら汁ととろたく巻を注文。

「外国人観光客に疲れて人間不信になりました」みたいな見た目の大将も、こちらが寿司好きの日本人と分かると打ち解けて、ネタやシャリへのこだわりを色々話してくれた。

その後炙りサーモン、甘エビ、酢〆のアジなどを頂いてお会計は2,800円。決して安くはないがその価値はある店だ。

寿司屋もそうだったが、保安検査も半年前より外国人スタッフが増えたような印象があった。

定刻から少し遅れて搭乗案内が始まる。失礼ながら「大分に行く人がこんなにいるの!?なんで!?」ってぐらい飛行機は満席。

今回はできるだけバウチャーの範囲内で行きたかったので座席指定等のオプションを一切つけなかったが、乗ってから座席指定すればよかったと後悔した。

狭くてギュウギュウで蒸し暑い上にグズる子供までいる。このストレスフルな状況を少しでも緩和するために課金するのはアリだろう。

空港で寿司を食ってるカネがあったら次回からはその額で座席指定しようと心に誓った。昼飯は家から握り飯でも持ってくればいい。

飛行機の中では最近勉強している中国語の学習を進めようと思っていたが、周りを中国人に囲まれた状況で中国語の勉強はやりづらい。この状況は事前に想定できていなかった。諦めて本を読んだり音楽を聴くことにした。

もともとのフライト予定時間が2時間近くあるうえ、空港混雑による遅延で成田から出るまでにかなり時間がかかった。

機内ではなるべく小説の世界に没頭してやり過ごした。2時間ちょっとで丁度一冊読み終えたのでよかった。

大分空港から別府の宿までレンタカーで移動

大分空港に到着して、予約していたくにさきレンタカーに電話をして迎えに来てもらい、清潔なハイエースでレンタカー屋さんまで移動。

貸出手続きもつつがなく終わり、案内されたのは日産の青い車だった。嫌いなメーカーの嫌いな色の車ということでコケそうになったが、まぁたまにはこういう車でも良いかと思い直してドライブ開始。でもスズキかダイハツがよかったな。

まず最初にナビに目的地として入力したのは近くのスーパーである。マルショク安岐店と言うスーパーに行き、一目散に果物コーナーへ。

目論見通り、大分県産のイチゴと大分県産のみかんを購入することができた。その他、乾物コーナーで長崎県産の食べるいりこを買ってスーパーを後にした。

車に戻ってこれからの計画を考えつつ、早速先ほど買ったイチゴを食べる。ベリーツと言う品種で関東のスーパーでは見たことがない。パッケージに2017年と書いてあったので、比較的新しい品種なのだろう。味はとてもおいしいく酸味はほぼ感じない。かつ甘さが強すぎるわけでもなく、バランスがよい。サイズもハーフパックというのを買ったので多すぎず、1パックそのまま車の中でペロリと平らげてしまった。

さてここからが本格的にドライブ開始である。次にナビに設定した目的地は血の池地獄。

運転し始めて少しするとポツポツと雨が降ってきた。しばらく運転していると、自動車専用道路をナビに案内された。どうやら無料らしいのでこの道路に乗ってみる。高速のような道路で快適にドライブした後自動車専用道を降りる。

ここで改めてナビの表示を確認してみると、どうやら血の池地獄に到着するのが思ったよりかなり遅くなるようだ。血の池地獄に寄っていると宿近くの温泉にはいるこれでは宿に着くのが遅くなってしまうので、急遽目的地を変更。血の池地獄へは行かず、そのまま宿に直行することにした。飛行機の到着が遅れたのが痛い。血の池地獄は明日時間があったら行くことにしよう。

ナビに宿の電話番号を入力し直し、市街地をドライブしていく。市街地に近づくにつれ、車の数も徐々に増えてきた。わナンバーのレンタカーはあまり見かけない。

道中左側に海が見えた。市場などもあり、漁業が栄えている土地であることが伺える。今夜の宿での夕ご飯も海産物に期待である。

しかしこう考えてみると、移動手段をレンタカーにしたのは大正解であった。飛行機の到着時刻が遅れて、バスや電車等の時間をずらさなければならないとなると、1日目は何もできない感じになっていたかもしれない。

運転中の車窓からは山も見える。山頂付近に薄く雪をまとったあの山は熊本との県境の山々なのだろうか。次第に雨の量も多くなってきた。道路脇に植えられている木は、南国風情のあるヤシのような木で、このような植栽は高知県の道路を思い出す。

本日のお宿「さくら屋」に到着

車が本日のお宿「さくら屋」に近づくにつれて道が細くなり、運転下手くそな私は緊張により心拍数が増加。一度「宿がこんな細い道沿いにあるはずがない」という希望的観測から左折し損ねてしまい、辺りをもう一周する羽目になった。

「こんな細い道」沿いにある宿にようやく到着したが、今度は駐車場に停めるのに一苦労。宿の人が懇切丁寧に誘導してくれて何とか止めることができた。

宿にチェックインする。女将のキャラが強烈だとGoogle マップ楽天トラベルの口コミで見ていたので、どんな感じかと思ったが、確かにキャラの濃いというか、こだわりが強いというか、神経質なところがありそうな女将さんだった。宿の説明などを一通りしてもらい、別のスタッフの方にお部屋に案内していただいた。

ちなみに宿帳を書く時に使ったペンが異様に書きやすかったのでメーカーを見たらやはり三菱鉛筆だった。商品名はユニボール・アイ。機会があれば買いたい。

お部屋の名前は「ききょうの間」。宿の建物が古いと聞いていたので隙間風などで寒くないか心配していたが、エアコンがよく効いていてそういった心配は不要そうだった。

部屋に荷物を置いてすぐに湯巡りに出かけた。夕飯の時刻までには宿に帰らなければならないので、優先順位の高い鉄輪蒸し湯に先に行くことにした。

鉄輪むし湯

鉄輪むし湯では最初に蒸し湯の説明を聞いて、券売機で券を購入してロッカールームへ。その後スタッフの方の説明に従い掛け湯をして浴衣を着て蒸し風呂に案内された。

蒸し風呂の中は、天井が低く、石菖の良い香りが立ち込めている。なんだかこの蒸気を吸っているだけで、体が健康になりそうな気がする。

喘息に良さそうな気がして、蒸し湯に入ってる間意識的に深呼吸を続けてみた。石菖の蒸気によるサウナと岩盤浴が合体したような感じだった。

8分経過したときにスタッフの方が声をかけてくれて2分延長するかどうかを聞いてくれる。私はあまりサウナ系には強くないので、延長せずに8分で出ることにした。蒸し湯を出た後は普通の温泉につかる。こちらもいい湯であった。

渋の湯

鉄輪むし湯を後にし、宿の夕食までまだ少し時間がありそうだったので、渋の湯にも行ってみることにした。

渋の湯は、地域の人たち(組合員)のための共同銭湯だが、観光客もロッカー代100円を払えば入れる仕組みになっている。地元の人用の温泉、いわゆる「ジモ泉」というやつだ。

私が行った時は組合員の方が4人ぐらい入浴していた。皆さん観光客の私にもフレンドリーに接して下さって、よい旅の思い出ができた。

別府の温泉は温度が高いと聞いていたが、私が行ったときには温度計は42.2度だった。蒸し湯で既に温まっていたこともあり渋の湯ではそれほど熱いと感じずに済んだ。

渋の湯は入ってすぐからなんだかお肌がすべすべになったような肌触りになる。とても泉質が気に入った。そのことを組合員の方に言うと「毎日入っているからわからない。」との事。こんなお湯に毎日入れるなんて贅沢で羨ましい。

42.2度でもそれなりに熱い。熱いお湯は苦手なほうなので、早々に切り上げて出ようとしていたら組合員の方が「もう出ちゃうの? 2回目は1回目よりも暑く感じないからもう一回入ってみたら?」などと言うので話の流れでもう一回入ることにした。

確かに2回目の方が熱さに慣れているので、1回目よりもすんなりと入ることができた。3回目も勧められたが「18時までに帰らないと宿の夕飯が始まってしまうので」と切り上げてきた。

宿に帰る道すがら、鉄輪の街をぶらぶら散歩してさくら屋に戻ってきた。歩いて思ったのだが、期待していたほどレトロな街並みではなかった。

途中路線バスがバス停に止まっているところを見かけたが、以前ネットで見たようにスーツケースを持った外国人観光客がたくさん降りてきたので、やはり公共交通機関ではなく、レンタカーにして正解だったな、とここでも思った。

旅館「さくら屋」の豪勢な夕食

宿に戻ると「もうすぐお食事ですよ」と言われたので、部屋に戻り、荷物の整理をしながら夕食か運ばれてくるのを待つ。

少し経つと豪華な夕食が部屋に運ばれてきた。肉も焼き魚も刺身も甲殻類も揚げ物も卵も、全部ある。メインが多すぎて、何から食べればいいのかわからないくらいだ。

とりあえず一番あっさりしていそうな甲殻類中心の地獄蒸しから箸をつけることにした。地獄蒸しは蒸されてから時間が経っていることもあり冷めていたが、一度食べてみたかったので食べられてよかった。お刺身も大分名物のとり天も美味しくいただいた。

中でも1番おいしかったのは焼きたてを鉄板にのせて運ばれてきたステーキだった。最近はこってりしたものを意識的に避けていたので、こんなにこってりした肉を食べるのは非常に久しぶりであった。柔らかくておいしい牛肉だった。これも大分の牛なのだろうか。

宿の夕飯には柑橘類がひと切れだけついていたが、ひときれでは到底食べ足りないため、スーパーで買った大分県産のみかんを取り出してデザートとして食べた。

スーパーではただ「みかん」とだけ書かれて売られていたのだが、どう考えても普通のみかんより大きいし、味も少しみかんとは異なるような気がした。何かと交配した品種なのだろうか。

夜の鉄輪温泉街散歩

ご飯を下げてもらった後は、腹ごなしも兼ねて、夜の鉄輪の街へ散歩に繰り出した。昼間も街のあちこちから湯けむりが上がる様子は風情があったが、夜になるとさらに幻想的な感じになる。

鉄輪の温泉街が一望できるみはらし坂までは急な階段を上って行ってきた。高いところから見下ろす鉄輪の街は、あちこちから上がる湯けむりがまるでライトアップされているようで、とてもきれいだった。

「さくら屋」の内風呂へ

宿へ戻り、本日3湯目となる温泉、宿の内風呂へ。こちらはかなり温度が高かったため、水道水で薄めさせていただいた。泉質で言うと、渋の湯には勝てないなと言った印象だ。

風呂から上がって浴衣を着て一休み。お風呂上がりは柑橘系のものが食べたくなるので、みかんを2つ食べた。

その後フロントにいた女将さんに宿のあちこちに飾られている写真についての話を聞いたりした。おかみは大病を患って以降一眼レフを持つのが重すぎて難しくなってしまったが、今までたくさんの写真展に出たり入賞したりしたから満足しているそうだ。

もともと書を習っていて、書の先生が写真を始めたから写真を始めたのだそう。身近な被写体を見つけて撮るのがとても上手いなと思った。

花の写真の話からの流れでこの辺りでの梅・桜などの開花時期の話も聞いたが、どうやら関東より相当タイミングが早いようだ。どおりでこっちに来てから花粉症の症状が悪化しているわけだ。スギ花粉のピークも早いのだろう。

就寝

21時過ぎ、歯を磨いて就寝。水回りが全て共用なので、夜トイレに行くのが少し面倒くさそう。あと館内は割と声が響いているので寝るときは耳栓が必須だ。

夜寝る前に、明日のジェットスターのチェックインを済ませる。行きの飛行機で懲りたので、帰りは座席指定をすることにした。1000円未満で混雑した機内のストレスを少しでも減らせるなら安いものだ。

夜はすんなりとは寝付けなかった。空気中に硫黄などのガスが含まれているのか、寝る前少し寝苦しかった。

もしこの辺に住むなら、温泉街には済まずに市街地のほうに住んで、たまに温泉に来ると言う住み方が良いだろうなと思った。まぁ実際に住む予定は無いのだが。

寝ている間に一度トイレに行った時は少し寒かったが、概ね快適に眠れた。「朝早く起きれたらあそこの温泉に行こう」などと考えていたが、結局7:30にスタッフの方がポット(お湯)の交換に来るまでスヤスヤと寝ていた。

起床・朝食

朝ご飯は8時に部屋に運ばれてきた。鮭、卵、納豆、じゃこおろしなど、朝も豪華だ。お米が美味しくて、朝からガッツリいただく。

卵は昨日の夕飯がゆで卵だったので、てっきり今朝のもゆで卵だと思い込んで勢いよく机に打ち付けたら生卵で大惨事が発生した。

食後にまたみかんを食べた。昨日スーパーで買ったみかんは6個入りであるが、そのうちの4個目である。4個目にしてハズレの個体があった。スカスカで食べるに耐えない個体であった。

朝風呂へ

さくら屋に荷物を置いたままチェックアウト前にもうひとつ温泉へ、と思って地獄原温泉へ向かうも、組合員以外の入浴は10時からと買いてあったため断念。(8:40だった)

本当は渋の湯にもう一度入りたいと思っていたのでこれも運命かと思って渋の湯へ。

ところが、昨日行った時とは少し印象が変わった。残念ことに、入湯料代わりのロッカー代100円を払わず使っているマナーの悪い観光客が3人いるなど、あまり治安が良くなかった。

脱衣所ではB型肝炎を40年患っていたという83歳のお婆さんが怪しい健康器具の話をはじめようとするし、全体的に昨日体験した雰囲気とは違うように感じた。

湯温もかなり水で薄められていたようでぬるかった。昨日の晩のいい思い出だけで終わりにしておけば良かった。早々に退散。

「さくら屋」をチェックアウト

渋の湯を出て宿へ戻りすぐチェックアウト。この辺には楽天トラベルやじゃらんなどに掲載していないような小さい宿もたくさん見受けられた。その中でさくら屋はわざわざネット媒体に掲載している。色々と苦労も多いだろうが、お体に気をつけて、なるべく長くこの宿を続けてもらいたいなと思った。

癖の強い宿ではあるが建物の古さの割には館内はきれいに保たれているし、スタッフ数が少ないなどと言うこともなく、サービスも行き届いていた。

館内は、写真や生け花などできれいに彩られていて、昭和レトロな備品も多く残している。書を習っていたという女将さんの直筆貼り紙も館内随所に散りばめられている。個人的には良い宿だと思えた。

Drive to Hell

駐車場から車を出し、今日も日産のデイズと言う青い車でのドライブである。

車はナビがとても良い。ストラーダと言うナビのようだ。曲がるタイミングの指示などが自分の感覚と合っていると思う。

長時間運転していると腰が痛くなってくるので腰に挟むクッションが欲しいと思った。長時間フライトではないのでネックピローは不要だと思ったが、レンタカーで旅をする際は腰当てとして使用するためにネックピローを持ってくると良いかもしれない。

今度からレンタカーでの旅の計画を立てる時は少し時間にゆとりを持とうと心に決めた。なぜなら、目的地に着く直前にその周辺を最低2周はすることになるからだ。運転が下手なので。また道を間違えて時間をロスすることも多い。

宿を出て海地獄へ行こうとしたのだが、まず1度曲がる場所を間違え、次に曲がる場所は合っていたのだが、どうしても海地獄を見つけることができず断念。諦めて、昨日行けなかった血の池地獄へ行くことにした。

血の池地獄

血の池地獄へはナビですんなりとたどり着けた。血の池地獄は赤くて大きくて入れない温泉があるなぁという感じで、そこまでの感動はなかった。

お土産屋さんの規模が大きいので、そこで欲しかったタオルやかるかん(あんこ無し)などをお土産に買うことができたのは良かった。

龍巻地獄

血の池地獄の次は龍巻地獄へ行った。血の池地獄を出て右に歩くとすぐにある。龍巻地獄の入り口で次の噴出までどれぐらい待つかを聞いたら10分ぐらいだと言われたので、入ることにしたのだが、よくよく考えてみると、例えあと40分後だったとしても、「あと40分です」とは言わないだろう。いつ聞かれてもあと10分と答えることになっているのではないだろうか。

それはともかくとして龍巻地獄に入場して次の噴出を待つことにした。地獄巡りはワンちゃんと来ている方も多く、噴出を待つ間2頭のフレンチブルドッグを連れた方がいて少し遊ばせてもらった。

およそ15分位待つと噴出が始まった。勢い良く熱湯が吹き出す様は、少なくとも血の池地獄よりは見応えがあるように思った。お土産屋さんの規模は、血の池地獄ほどではないが、それなりに充実していた。

杵築へ向けてドライブ

龍巻地獄の次は杵築へと向かうため、ナビに杵築の場所を入力して出発。ここで、駐車場出て右へ行くか左で行くかを間違えてしまった。

Uターンもできず、そのまま一旦鉄輪方面へ戻ってから杵築を目指す形になり、20分ほどタイムロスになってしまった。

昨日はあまりレンタカーを見かけなかったが、今日は地獄付近を中心にわナンバーのレンタカーがたくさんいる。

道中、臨時的に片側交互通行になっている区間があったのだが、交通整理の人員は配置されておらず、機械が自動で「今はこっちの区間」「こっちは赤信号。あと何秒。」というのを仕切っていた。

初めて見たが、人件費がかからず合理的なシステムだ。しかしなんだか、警備員が棒を振って、頭を下げてくれた方がいいなと思ってしまった。私もこういうところから老害化していくのだろうか。

昨日ポツポツと降っていた雨は明け方にはやんだようだ。私は晴れ女なので、私が旅行に行く時なら大丈夫だろうと高を作っていたが、まさしくその通りになった。困るほどの雨には降られていない。持ってきた折り畳み傘は一度も使っていない。

それにしても、花粉症の症状が千葉にいた頃よりも強く出ている。何もしていないのに、鼻から水がスーッと落ちてきたりする。

杵築は自分が行きたかったと言うよりは、母親が行きたい場所である。母はテレビ番組を見て杵築に興味を持ったらしい。杵築の石畳の城下町を見てきてほしいと言う依頼である。

なぜ母自身が行かないかと言うと、耳の調子が悪く飛行機に乗ると痛くなるからだそうである。そこでまずは私が行って見てきて、とても良かったなら電車あるいは船で行くと言う算段らしい。

昨日通った海沿いの道をまた通る。道沿いに、行きにも気になっていた「蜂の音」という蜂蜜の会社があるのだが、土日は休みのようで入れなかった。
(追記:この会社のはちみつは、のちほど空港の土産店で買うことができた。)

途中、踏切を渡るときに窓を全開にしたら、山の空気だなぁと感じた。お遍路の時に感じたような雨が降った後の湿度を多く含んだ山の空気である。とてもおいしい空気なので、しばらく窓を開けたまま走行した。

ナビは昨日と同じ無料の自動車専用道路に案内しようとしていたのだが、ナビとは違う道を下道を選んだのだ。このような空気が吸えるなら、下道を選んだのも正解だっただろう。踏切は杵築駅の辺りの踏切だった。別府は作られたレトロと言う感じがしたが、果たして杵築はどうだろう。

杵築でも目的地だった駐車場を通り過ぎ、またしても付近を2周してしまった。

杵築観光(展望台・塩屋の坂・酢屋の坂・勘定場の坂)

まずは杵築城展望台へ。海越しに遠く杵築城を臨む。

そして今回のメインである坂見学へ。まずは塩屋の坂を降りながら、酢屋の坂を臨む。

塩屋の坂を降り切ったところに甘味処や味噌屋が数軒。そのまま向かいにある酢屋の坂へと進む。

酢屋の坂を登り切って息切れしているところに、大分県の方が来て「観光アンケートに協力してくれ」と依頼されて快諾する。今回の旅行プランや県内で使った金額、行った場所などについて詳細に聞き取りされた。

大分のあちこちで看板が少なくて車で曲がりそびれてしまった、というのを直接県の人に伝えられてよかった。

アンケートに協力した後は左に進んで勘定場の坂へ。この坂は変に手入れされておらず、本当に昔のままなんだろうな、と思った。

風情はあるが足元がめちゃくちゃ歩きにくい。スニーカーでも歩きにくいのに、この上着物なんか着たらどうなっちゃうんだろうと思った。

杵築は着物が似合う街ということで着物での散策を推奨しているそうだが。

勘定場の坂を歩き終える頃にはでこぼこ道で足が痛くなっていた。

杵築の観光客は地獄めぐりや鉄輪と比べたらかなり少ない。来るまでで知らなかったのだが、杵築ではひいな巡りと言うお雛様のイベントをやっていた。イベント期間中とは思えない人の少なさだった。

あと大分にはなぜか漢方薬局が多い気がする。

地元の人たちの会話を聞いていると、「なっちょる」「やっちょる」など語尾の「ちょる」がこちらの特徴のようだ。

今回訪れた3つの坂の歩きやすさでいうと、塩屋の坂が一番整備されていて歩きやすい。次に酢屋の坂、一番歩きにくいのは勘定場の坂だった。母にはこのように報告しようと思う。

坂歩きでお腹が空いたので、塩屋の坂下の和菓子屋「松山堂」でみそまんじゅうとしそまんじゅうを買って昼食までの繋ぎにする。とても小さなまんじゅうだ。一口サイズだがしっかりと甘い。1個だけで良かったかもしれない。

おそらく晴れていても曇っていても雨の日でも風情のある城下町である事は間違いない。あまり活気があるとは言えず、通ごのみの観光地といった感じであった。

国東半島ドライブ

杵築を後にしてお昼ご飯を食べる予定のお店、魚市魚座に向けて出発する。途中の道は初めて通る道のはずなのに、たまに既視感のある交差点が出てくる。ジョイフルがあってしまむらがあって、みたいな交差点が九州にはたくさんあるようだ。

海沿いの道をしばらくドライブ。漁師町といった感じで牡蠣殻がたくさん詰まった袋が軒先に積まれていたりする。

この道は牡蠣街道と名付けられているようだ。今回は牡蠣ではなくりゅうきゅう丼を食べてみる予定である。

レンタカーの旅の良いところはこうやってドライブをしながらiPhoneのメモ帳に音声入力で見たものを感じたことをリアルタイムで入力していけるところだろう。

魚市魚座でランチ(りゅうきゅう丼)

魚市魚座に到着、どうやら大人気の店らしく満席で順番待ち。ただ外国人観光客で混んでいる感じではなく、地元の家族連れなどで賑わっているため、味は確かなのだろうと思い待つことに。

店内では産直のみかんや白菜なども売っているがあまり美味しそうではない。後でスーパーに寄る時間がありそうなら寄ろう。

20分ほど待って席に案内される。りゅうきゅう丼は注文からほどなくして提供された。甘めの醤油ダレで漬け込んだ魚、生姜の風味も感じる。魚はおそらくハマチかブリだろう。

南の方はとにかく味付けが甘いが、味噌汁まで甘いのには閉口した。これはこれで、現地の人たちに支持されているお店の味として楽しむことにした。

(そして、旅館で出された食事は観光客向けに甘くない味付けにしてあったんだな、とここで初めて気がついた。)

私は炭火焼きはしなかったが、目の前に炭火があり、暖かくて眠くなってくる。売店でお土産用に干し椎茸やいりこせんべいを買って店を後に。

スーパーで「ベリーツ」をリピ買い

少し時間がありそうなので、行きに寄った空港近くのスーパーに帰りにもう一度寄ることにした。

ベリーツと言うイチゴが美味しすぎたので、またリピート買いした。りゅうきゅう丼のデザートとして車内で食す。

またパール柑という熊本県産の柑橘類も買ってみた。こちらはおそらくナイフで切るタイプの果物なので、家に帰ってからのお楽しみだ。

あまり荷物を重くしたくないのだが柑橘類への好奇心に負けて買ってしまった。スーパーを後にし、レンタカー店が指定したガソリンスタンドまで移動する。

大分空港からジェットスターで成田へ

レンタカーを満タン返ししたのち、ハイエースで大分空港まで送ってもらい、空港の土産店で最後の買い物。

またはちみつを買った。あと大分名物「やせうま」はグルテンフリーと書いてあったので5個入りを購入してみた。てっきり小麦粉製品だと思い込んでたので意外だ。食べるのが楽しみだ。

帰りの飛行機は遅れることなく定刻に機内に案内された。その前に荷物の重さを全員測らされて、検査済みの白いテープを貼る必要があった。成田では無かった、というかここ数年無かったオペレーションなのでびっくりした。

やる時とやらない時の差はなんなんだろう。飛行機の満席具合などだろうか。だったら行きの飛行機もほぼ満席だったのだが。謎だ。

お土産を結構な量買い込んでいたので少しだけ心配だったが5kgちょっとで無事OKだった。

帰りの座席指定は大正解だった。前方、3Aの席を970円払って指定した。後方は全ての席が埋まっているが前方の有料エリアだとB、Eなどの中間席はボチボチ空いている。

実際、前の2Aと2B、そして隣の3Bは空席だった。それだけで息苦しさが違う。ストレス度がかなり下がる。窓から景色が見れるのも良い。結果的に心にゆとりがうまれる。

飛行機の地上走行中の揺れで乗り物酔いを起こす確率が高いため、iPhoneの「車両モーションキュー」の機能をオンにしてみる。行きはこれをオンにし忘れていたが運良く乗り物酔いにはならなかった。

あまりに頻度が高いため、飛行機に乗る時はトラベルミンをすぐ取り出せる場所に常備してあるほどだ。

People In The Boxの「翻訳機」をAirPods Proで聴きながら離陸。大分の海を左に見ながら旅の思い出に浸る。

旅行中どうしても野菜不足になっていたので、成田に帰ったら野菜たっぷりちゃんぽんを食べて帰ろう。

成田に到着、帰路へ。

成田には定刻より数分早く到着した。前方座席を指定したこともあり、速やかに降りられた。ところが降りてから歩いた距離は今までで一番長かった。どう考えてもバスの距離だと思うのだがバスではなかった。

レンタカーの運転中も思ったが、帰りの飛行機でも腰にクッションを当てたいと思ったので、空気で膨らませるタイプのネックピローを買おうと思う。

成田に着いてリンガーハットに行ってみたら空港店では食べるスープは扱っていないという。前はあったような気がするのだが。仕方ないのでリンガーハットは諦めてそのまま帰路につく。

アクセス特急の時間がうまく合わなくて、駅で40分も待ったけど、そのおかげで座って帰れたのでよしとする。

体調万全で行けた旅行だが、最後はかなり疲れていた。荷物の重さが負担になっていたのは間違いないので、最後にスーパーで買ったパール柑はやめとけば良かったなぁと思った。レンタカーだったため、つい気が大きくなって重いものを買ってしまったのだ。

(追記:家に帰ってパール柑を食べてみたが、非常に皮が分厚く可食部が少ない。「たったこれっぽっちの可食部のために荷物が800g近くも重くなっていたのか」とがっかりした。味はグレープフルーツのような苦みのある大人の柑橘だった。)

おわりに

1泊2日でたくさんのことをやろうとするので、慌ただしいというかせわしない旅ではあるが、こうやって現役のうちにいろんな温泉地に行って、好みの温泉地にあたりをつけておき、引退後にその好きな温泉地に長逗留するのが老後の楽しみである。

また、後悔ポイントもいくつかあったが、「やらない後悔よりやった後悔」、今回のはすべて「やった後悔」なので気持ちとしては清々しいものだ。

鉄輪は地図で見て想像していたよりもかなりコンパクトな温泉地で、徒歩でも移動しやすかった。温泉も多く、お湯も良かったので、将来の湯治先の第一候補になると思う。

旅費まとめ

【宿泊費】
さくら屋(1泊2食付、入湯税込):16,200円

【移動費】
ジェットスター往復:16,150円
くにさきレンタカー:6,900円
ガソリン代:894円
空港までの電車賃(往復):2,198円
(小計:26,142円)

【観光費】
鉄輪むし湯:1,300円
渋の湯:200円
血の池地獄:500円
龍巻地獄:500円
(小計:2,600円)

【食事など】
寿司:2,800円
スーパー:2,841円
道中の飲み食い:400円
魚市魚座:990円
(小計:7,031円)

【お土産】
魚市魚座:1,236円
血の池地獄:3,110円
大分空港「旅人」:4,968円
(小計:9,314円)

総合計:61,287円

全部で10万以内で収めようと思っていたので、計算してみてホッとした。

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